匠とは
置かれた環境に囚われず
今あるもの、現状を最大限活かし
いかに完成度を高められるか
上質な素材を使い
最適な調理法にこだわった料理を
適正価格でお客様に召し上がって頂きたい
お客様に「本物」と言われるようになれば
匠に一歩近付いた証ですね
大阪府出身。美容師、バーテンダー、寿司店での事務、飲食店立ち上げ等
多岐にわたる経歴を持ち、全ての経験が今に繋がり活きているという小國氏。
食材に使う肉や野菜は産地のオーナーに直接会い、自分の舌で味を確かめ、
素材に合う最適な調理法を研究するこだわりを持つ。
北新地本通りに「近江牛と有機野菜の呑処 ひだまり」を構える
肉の匠「小國貴史」店主に話を伺った。
小國貴史氏にインタビュー
■開業のきっかけ
もともと外食が好きで、10代の頃からアルバイトで飲食業に携わっていました。
お客様から「ありがとう」と言って頂けるようなことが仕事にできる飲食業の魅力を
長年肌で感じ、いつか自分が思い描く店をやりたいなと思っていました。
北新地や梅田から少し外れたエリアで店を探していましたが
なかなか見つからなくて。
料理にこだわって、質のいい食材を使って、良さを知って頂ける
お客様のいる場所を探していて、たまたま新地で見に来た
一軒目がこの部屋だったんです。
開業して1、2年は本当に大変でした。
空中階で1階に看板を置けない、新地に知り合いがいるわけでもない。
ノーゲストの日も多かったです。SNSで店のことを知ってくれたお客様が
徐々に来てくれるようになり、口コミで広がって、やっと4年目で
予約が無い日でもお客様が来て下さるようになり、
ようやく店内が賑わう日も増えてきたかなぁというところです。
■こだわりについて
《肉》
以前アルバイトで働いていたお店の常連の方から
「開業するんだったら勉強のために食べに行こう!」と誘われて
牛肉の産地まで食べに行ったんです。
松坂で松坂牛、神戸で神戸牛、そして近江牛は屠殺場まで行って、
生の肉を削いで食べました。
松坂・神戸はサシが綺麗でビジュアルも良くて美味しいんですが、
沢山食べると胃に負担が掛かります。
ところが、近江牛は指で押すと溶け出すくらい脂の融点が低くて、
食べても胃もたれしないんです。
脂の甘味も強く、バランスのいい肉だと思い、近江牛を食材に
選びました。
《野菜》
元々は熊本産を使っていたんですが、グランフロントで
開催していた野菜のマルシェで近江野菜のオーナーさんに
出会ったのがきっかけで近江野菜を使うようになりました。
お米と玉ねぎだけは淡路島の知り合いの農家の人から仕入れていたんですが、
有機野菜を使ったお店を開くと言うと、全部有機に変えてくれました。
季節に応じて旬の野菜を取り入れてお客様に出しています。
今の時期はドルチェドリームというトウモロコシが美味しいですよ。
生で食べられます。
《調理》
こだわりは低温調理です。
60℃弱の温度を一定に保つことが重要で、肉ごとに
最適な時間と温度を見つけるまで1℃、分単位で調整しました。
低温調理だけだと表面の食感も柔らかいままなので、
うちでは最後にほんの少しだけ焼いて表面をカリっとした食感にしています。
■小國店主の思い
上質な食材、こだわりの料理・お酒を適正価格で召し上がって頂きたい。
これに尽きます。特に若い世代の方々に食べて頂いて、「本物」を知る
きっかけにして頂けたらなと思っています。
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