匠とは
料理を載せた瞬間
器は料理になる
載せたい料理をイメージして器を選ぶこともあれば
器に合わせて料理を作ることもある
私にとってはどちらも料理
お店にいらっしゃったお客様全員を
特別扱いして喜んでもらいたい
そのためには自分が常に進化して
お客様を飽きさせない工夫と努力をする。
それが匠かな。
大阪府出身。大学卒業後、8年間勤めていた一般企業を退職し、飲食店を経営するという夢を叶えた。器を取り扱う仕事をする父の影響もあり、窯元から直接仕入れた芸術的な信楽焼の器を使った味覚と視覚に訴える料理が特長。北新地は堂島中通りに「器楽Dining π(キラクダイニング パイ)」を構える、日本料理の匠「野村幸代」ママに話を伺った。
野村幸代ママにインタビュー
■料理店を始めたきっかけ
もともとは大学卒業してから企業に就職してOLをしていたんです。
でもずっと飲食店を経営したいと思っていて。
飲食店に器を納品する父に付いて行って色んなお店を回っているうちに
その想いがどんどん強くなって、思い切って退職してお店を始めることにしました。
父が信楽焼を取り扱っていた影響もあり、父にパイプを繋いでもらった
信楽焼の窯元から器を仕入れて料理に使っています。
はじめて持った自分のお店は、約40席でアルバイトを雇っていましたが
お客様全員に目の行き届く大きさの店で全部自分でしたいと思って
今のカウンター7席のお店に移りました。
■こだわりについて
《器》へのこだわり
お料理が美味しく見える器を使うことです。
ご家庭ではなかなか扱いにくい、重い器ばかり使って
非日常を楽しんで頂きたいなと思っています。
お客様が2人で来られた時は、同じ料理でも見た目が全然違う器に
盛り付けて、1人1人喜んでもらっています。
ここにきてから家の器を気にするようになった、なんてお話を
聞くと嬉しいです。
《料理》のこだわり
食材や料理は、お客様が飽きないように常に変化、進化することを
意識しています。市場で見たこともない野菜を見つけたら
その場でどんな料理が合うか聞いたり、買って帰って自分で調べたりして
新しい料理に使ってみます。
客席が少ない分、お客様の好みも覚えられるし、常連さんになると
前と違った料理を出すようにしています。
《酒》のこだわり
お酒は日本酒をメインで出していますが、
お客様にお酒の紹介をして説明できるように、地方の酒蔵まで足を運んで
杜氏さんのお話を直接聞いてくるんです。
季節もののお酒は特に楽しいですよ。
酒蔵へ行って実際に飲んでみて気に入ったものを買って帰ります。
■ここにしかないもの
カウンター7席のお店なので、1人1人のお客様への
目配り気配りはこのお店ならでは、と思っています。
お客様と仲良くなり常連さんになってもらいやすいですし
好みを覚えて料理を出すと、お客様も
「あっ覚えててくれたんだ」
と喜んでもらえます。
器は同じものが揃っている必要はないし、
料理もそれぞれのお客様に合わせたものを出せたら
良いなと思っています。
■嬉しいこと
「美味しいね!」と言われても嬉しいし
「この器いいよねぇ~」と言われても嬉しい。
料理も器もお客様あってのものですから。
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