匠とは
どうすれば素材の良さを引き立たせることができるか
どうすればお客様に喜んで食べて頂けるか
ひたすら素材と向き合い
思い至る限りの可能性を
自分の舌で確かめる
この世に料理として生み出す力こそが
匠じゃないでしょうか。
山口県出身。学生時代の飲食店アルバイトの経験から料理の道を進むことを決意。お客様と会話しながら料理するスタイルの100席超の大型店で腕を磨き、北新地に開業する先輩の店で働くようになり北新地の魅力を知ったという藤原氏。2010年に独立し大阪市福島区に開業、2013年には北新地永楽町通りに「お料理 ふじ原」を開業の日本料理の匠「藤原英典」氏に話を伺った。
■料理人になったきっかけ
実は大学生になるまで料理したことがなかったんです。
高校もいわゆる進学校と呼ばれるところで料理とは無縁の世界に身を置いていました。
大学生になりアルバイトで入ったお店が100席を超える大きなお店で、
お客様と対話しながら料理をする醍醐味を味わったのが
料理の道を進むきっかけになりました。
その後、北新地に店を開業する方のお手伝いで働くようになり
北新地という街が好きになって。大学卒業後もそのお店で数年働かせて
頂きました。自分の店が持ちたくて、店のオーナーに相談して
探してもらったのが福島の店です。ランチをテレビで紹介して頂いてから
お昼のお店として沢山お客様に来ていただけるようになったのですが
小さく落ち着いたお店をやってみたいと思うようになり、
北新地に戻ってきたのが6年ほど前です。
■こだわりについて
毎月お料理を7品変えてお出ししています。
食材をどう合わせるか、どのお酒に合うかそれとも合わないか
毎月発想しながら作り上げたものを提供しますので
お客様を飽きさせない自信があります。
その分試作もたくさんしますし、これは合わないなという失敗も多いですよ。
合わせ方が多種多様でありながら、でもみんなやっていないことが
あるんじゃないかと思って日々考えを巡らせています。
月初には酒屋さんをお店に呼んで、前もって作る料理を伝えておくんです。
それに合いそうなお酒を持ってきて貰って、酒屋さんと一緒に
食べながら料理に合う酒を選びます。カウンターに日本酒を7本並べて。
■季節の表現について
旬は常に意識しています。
秋には粟麩を使ったり、お米の収穫時期に合わせて新米を出したり。
旬の食材をお出しすることに加えて、お客様との対話で
食材の旬についてお話することでエピソードを味わっていただくことも
大切だと考えています。
■うれしいこと
よくお客様や周りの方から「料理好きなんですね」と言われるんですが
実は料理好きではなくて。お客様にとにかく喜んでもらいたい思いが
強いんだと思います。
美味しいものを作る為にやっているというよりは
お客様に「美味しかった」と言ってもらって、もう一度来ていただく為に
やっています。
カウンターキッチンでお客様とコミュニケーションを
取りながら料理できるこのスタイルが自分に合っているんでしょうね。
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