北新地 弧柳 松尾慎太郎店主

匠とは

常に上を見て、上の段階上の段階を目指すこと。

料理人は常に勉強だと思います。

水平線の現状維持では先が無い。

私にとっての「現状維持」は

常に上を見て、新しい事を取り入れて

自分の技術を上げ続けていくことです。

匠プロフィール弧柳松尾店主
大阪府吹田市出身。調理師専門学校卒業後、浪速割烹「㐂川」で修業中、24歳にして最年少板長となり実力を発揮。12年間の修業後、異ジャンルの料理店での経験を経て、2009年北新地の堂島中通りに「北新地弧柳」を開業、同年より11年連続でミシュランの星を獲得している。「浪速料理」の伝統と型に嵌らない柔軟な発想から生み出される「魚庭(なにわ)」を代表とする料理の数々に、食通の舌を魅了し心を掴み続ける。日本料理の匠「松尾慎太郎」店主に話を伺った。


松尾慎太郎氏にインタビュー

■料理人になったきっかけ

小さい時から料理をするのが好きで、小学生の頃から何か作っては
家族に食べてもらって、美味しかったと言われるのが嬉しかった。
ただ人から喜ばれることが嬉しかったんです。

小学生の頃から料理人になると決めていました。
最初はお寿司の職人になりたくて、調理師専門学校に行きました。
ちょうど回転寿司が流行り出した頃で、競争が激しくなると思い
寿司以外の料理のことも学ぶことにしました。
当時流行していたイタリアンやヌーベルシノワの道も考えましたが
最終的には父親の「毎日食べられるのは日本料理じゃないか」の一言で、
日本料理に決めました。

■こだわりについて

《浪速料理》
食材も料理も「大阪らしさ」にこだわっています。
浪速料理は無駄を出さない料理で、魚を下ろした後でも
骨から出汁を取ったり、頭から尻尾まで使い尽くします。
始末の料理と呼ばれる浪速料理の考え方を軸に、ある意味こだわらずに
柔軟な発想で食材を美味しく仕上げることを考えて料理しています。

料理という字を読み解くと、料は「はかる」、理は「おさめる」となります。
ただ料理を作って出すのが料理人ではなくて
お客様がお店に入られてからお帰りになるまでを
はかりおさめることができる、トータルプロデュースするのが料理人です。

《食い味》
「京の持ち味、浪速の食い味」という言葉がありますが
浪速料理は食材が本来持っている味を活かしながら、
昆布や他の食材で味の深みを出します。味の一番の基礎は出汁です。
関東と違って大阪は出汁文化ですので、昆布でしっかりと
出汁を取ってからカツオと合わせます。

匠プロフィール弧柳松尾店主

■影響を受けたこと

小学6年の担任に言われた言葉がすごく心に残っていて、
人並みですが「継続は力なり」という言葉を頂いて。
本当に、今になって実感が湧いてきたというか。
常に「継続は力なり」という言葉が自分の頭の隅にあります。

僕らの時代の修業と言うとほんとに大変でした。
3年間皿洗いだけだったり、なかなか食材を触らせて貰えないとか。
投げ出すのは簡単なんですが、毎日同じことを継続することによって
今に至ったのかなと思います。

■嬉しいこと

帰り際に「楽しかった、おいしかった」と言われるのがすごく嬉しいですね。
おいしかったは勿論嬉しいですが、やっぱり「楽しかった」という方が
一番嬉しいです。
一緒に来られた方との会話もありますし、僕との会話もありますし、
食材の事をお話したり、楽しい時間をトータルで過ごして頂けたらいいなと思います。

匠プロフィール弧柳松尾店主

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