匠とは
こだわりを持ち
こだわるということにこだわり続け
表現し続ける人
自分のこだわりが
ただのイメージから
現実のものになる
食材、道具、人との繋がり…
「もっとこうしたい」を実現するために
私はこだわり続ける
高知県出身、子供の頃から興味のあった料理をする為に
23歳で大阪へ。イタリアンレストランで6年間修業を積み
複数のシェフからイタリア料理の地方による文化や食の違いを学び
それぞれの良さを取り入れたイタリア料理を出したいと思うように
なったという比与森俊幸氏。北新地は本通りにイタリアンレストラン
「HIYOMORi」を構えるイタリアンの匠「比与森俊幸」オーナーシェフに
話を伺った。
比与森俊幸氏にインタビュー
■ここにしかないもの
大阪に来て最初に働いた店のシェフがイタリアで修業を積んだ方で、
2人に教わったのですが、20州あるイタリアの各州の
文化の違いや食の違いを学ばせて頂きました。
私自身も短期ですがイタリアを南北縦断し、沢山のレストランで
食文化や素材の使い方の違いを肌で感じてきました。
同じイタリアなのに食べるものが全然違っているんです。
乾麺は南方、生麺は北が多かったり
魚介の多い州、いわしをよく使う州など、それぞれに特色があります。
修業時代は教わることを実践する日々でしたが、様々な地方の
イタリア料理を知り、ここ北新地にオープンしてからは
自由な発想を取り入れるようになりました。
これ醤油で食べると美味しいんじゃないかとか、
味噌入れてみたら絶対コクと深みが出るのになと思うことは
前からあったんですが、イタリア料理だからそんなことしたらダメだな、
と自分の中で諦めていたんです。
でも見識を深めれば深めるほど、こだわりだと思っていた素材や
味付けの縛りは自分の固定観念でしかないことに気が付いたんです。
それ以来、こうすれば美味しくなるのでは、とイメージしたことを
実現させることにこだわるようになりました。
メニューに取り込んでは、もっと美味しくなるんじゃないか、
他に良い方法は…?と常に想像と実践を繰り返しています。
■こだわりについて
ずばり、羊ですね。国産で長野から仕入れている仔羊を使っています。
関西で僕みたいな個人の小さな店に卸してもらえてるのは僕だけなんです。
日本で食べられている羊の90%はオーストラリア、ニュージーランドのもので、
10%の国産の羊のうち、90%は北海道産です。
僕が仕入れている長野の仔羊のシェアは1%と非常に希少なんです。
この店をオープンするときに、何かうちにしかないものを使いたいと思い、
辿り着いたのが長野の仔羊です。
生産者の方に電話で連絡した時にはうまく話が進まなかったんですが
直接長野まで出向いてお伺いしてお話させて頂くうちに
比与森さんなら、ということでやっと卸して頂けるようになりました。
ほんとにくせがなくて、北海道で食べて羊が嫌いになったと
言われるお客様がいたんですけど、うちの羊を食べて、
ここでなら食べられるとおっしゃる方も結構いらっしゃるんです。
■四季について
特に野菜や魚介系で四季を感じて頂けるようにしています。
野菜は妻の実家が熊本の農家で、箱詰めしたものを送ってもらっているので
季節感がダイレクトに出ます。
今は夏のものがどんどん入ってきてます。
オクラ・ズッキーニ・なす。美味しいですよ!
熊本のトマトは冬が旬なので今は入ってこないですが
八代市で有名な「塩トマト」は1月2月が一番おいしいです。
■HIYOMORiでの食事について
対面カウンタースタイルのお店です。
正直言うと、僕はお客さんと喋るのが得意じゃなくて
奥まった厨房で作ったほうが集中はできるんです。
でも、作った料理を目の前にいるお客様が召し上がって
その反応を間近で見ることができる喜びを知って、やみつきになってます。
喋るのは苦手ですが、心の中では喜んでるんですよ。
僕が伝えたいことを100%伝えられますしね。
多くは語らないですが、僕の料理で数々のこだわりを
お客様に伝えられたらなと思っています。
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