たいが 包國大河オーナーシェフ

匠とは

有為転変の世を
成長の糧とし
好機を逃さず掴み取る

確信をもって新たな道を突き進んでは
生まれ出るこだわりを敢えて手放し
次のチャンスに備える

時、人、場所
変わりゆくものすべてを受け止め
自己も変化させながら新たな価値を世に提供し続ける

たいが包國大河大将
高知県出身。料理専門学校卒業後に上京し、初めに料理人として修業を
積んだのはイタリアンレストランだったと話す包國大河氏。新潟苗場に
寿司店を開業する飲食店オーナーと出会い迷わず入店したのが寿司の道を
進むきっかけになったという。現在は銀座の高級寿司店で大将を務める
山崎正夫氏の弟子として腕を磨き、その後も東京の有名老舗寿司店で研鑽を積む。
仕入先の紹介で出会った銀座「鮨 石橋正和」オーナー石橋正和氏の誘いで
2019年シンガポールへ出国。1年間寿司店で経験を積んだのち
「Taiga Dining」料理長に就任。2024年、新地本通りに「たいが」を
開業した寿司の匠「包國大河(かねくにたいが)」オーナーシェフに話を伺った。


包國大河氏にインタビュー

■寿司の道を進んだきっかけ

子供の頃から料理に興味があって、よく母親のことを手伝っていました。
地元高知で料理の専門学校へ進学して調理のことを一通り学んでから
卒業後20歳で上京しました。初めに勤務したのがイタリアンレストランで
盛り付けや味付け、オペレーションの基本から経験を積みました。
寿司職人になろうと決めたのは、偶然旅先で出会った飲食店社長とのご縁です。

新しい店をオープンするので、うちで寿司を握ってみないか?」と声を掛けられ
これはチャンスだと思い、新潟の苗場で寿司の道を進むことを決めました。

同じ新規オープンのタイミングで六本木の寿司店から大将として
迎え入れられた師である山崎正夫大将から言われた
技術は後からついてくるからカウンターの中での立ち回りを俺から勉強しろ
という言葉がかっこよくて、惚れ込んで真似しながら振舞いを体得していきました。

今でもスタイルが江戸前寿司なのは山崎大将の握りを継承しているからです。

その後も人生の転機が何度かやってくるのですが、
いつも突然訪れるチャンスに即応し物事が大きく動くんです。

仕入れ先の豊洲の卸業者の方が、シンガポールのレストランで
料理長になる人を探している人がいる、と銀座の「鮨 石橋正和」
石橋オーナーを紹介してくれたんです。
ずっと日本でこのまま寿司をやっていていいのか、いつか
海外に行きたいなという気持ちを持っていたので
石橋さんのお誘いにこれも即答でした。

行き当たりばったりに見えるかもしれませんが
実は心の中では準備ができていて、チャンスが来たら
思い切り掴んで成長してやろうと待ち構えているんです。

■「たいが」開業について

シンガポールでの経験はとても斬新で刺激的でした。
店名は「Taiga Dining」と自分の名前を付けて頂き、料理長に就任したのですが
ちょうどコロナ禍の頃で海外渡航規制が敷かれていて、シンガポールから外へ
出られない人たちがこぞって国内の飲食店を利用するようになったんです。
どこも半年以上の予約待ちで飲食業界は本当に活況でした。
自分自身もこの時期にシンガポール国内で各国ジャンルの最高峰と言われる
レストランへ足を運び、盛り付けや素材、雰囲気の出し方など沢山のことを学びました。
学んだことを自分の料理に取り込んだり、演出を変えてみたりと
カウンターに立ち全力を出し切る充実した毎日でした。

3年ほど営業した頃に、新潟の寿司店時代の同い年の親友から
大阪で一緒に寿司屋をやらないかと声が掛かりました。
シンガポールでの経験と実力を日本に戻って試したい、自分の店を
持ちたいと思っていた矢先の誘いで、迷わず帰国を決意しました。
その親友は寿司職人ではなく店舗を設計し一緒に店づくりをしました。

たいが包國大河大将

■こだわりについて

食材は信頼できる市場の卸業者さんから仕入れています。
携帯で欲しいものを伝えて、今日はこの魚はないけどこっちのは
美味しいよとかコミュニケーションを取りながら入れるものを決めてます。
朝に市場まで足を運んで自分の目で確かめて入れることもあります。

お客様に対しては、何に価値を見出されるのかをいつも考えています。
一貫一貫思いを込め全てのネタに手を加えることも
落ち着きや高級感を感じて頂ける雰囲気を出すことも
必然的に一つの方向が定まってきます。

料理が美味しいのは大前提ですが、どこまで味を追求しても
お客様の好みは超えられない。それならお客様との
コミュニケーションを通じて心で繋がって味の好みを超えていく。

臨機応変、即断即決で切り拓いてきた人生。
振り返ってもこの先を見ても
人との出会いと訪れるチャンスを全て掴むのが
自分だと信じています。

たいが包國大河大将

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