◆ワサビの辛味を引き出す「わさび」とは?

生魚の臭みを消し強力な殺菌作用を有するワサビ。
冷蔵庫の無い江戸時代の握り寿司には欠かせない存在であった。
ネタの旨味や味の深みを引き立たせることから
保冷技術の進歩した現代においてもワサビは寿司の名脇役として重宝されている。

ワサビには目の細かいおろし金で細胞を壊しより多くの空気に触れさせることで
殺菌作用のある辛味成分が多く生成される。
力を入れすぎず、優しく空気を取り込みながら円を描くように擦るのがコツだとか。

匠トリビア寿し久保

このおろし金、ワサビ専用で刃が『わさび』なんです

滑らかな手つきでワサビをおろす久保オーナーの言葉を反芻し
おろし金に近寄ると、一面に彫られた「わ」「さ」「び」の文字。

匠トリビア寿し久保

『わ』『さ』『び』の平仮名はそれぞれ『下』『左右』『上』が開いていて
 円を描いて擦ったときに空気を取り込み易く作られています。これで擦ると
 粘りと辛みが引き出されます。
 作り手の遊び心で一箇所『わびさび』と並んでいるのも面白いですよ。

寿し久保 久保正和オーナー

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