シノワフジモリ 藤森由身オーナーシェフ

匠とは

実直に料理と向き合い

日々前進し続ける人

藤森由身オーナーシェフ大阪の調理師専門学校を卒業、豪華さと繊細さを併せ持つ中華料理に魅力を感じ、
高級四川料理「御馥(イーフー)」、ANAクラウンプラザホテル「花梨(カリン)」、
スターゲイトホテル「星龍(セイリュウ)」等数々の有名店で経験を積んだ後、
ホテルレストランでフレンチの修業を行ったという異色の経歴を持つ藤森由身氏。
伝統ある中華料理の枠組を限界まで拡げ、新しさを追求し続ける「シノワフジモリ」
オーナーシェフの藤森氏に話を伺いました。


藤森由身氏にインタビュー

■料理を始めたきっかけ

小学校2年生のときに自宅でチャーハン作りをしました。
高火力で一気に仕上がったのが面白くて料理に興味を
持つようになったのがきっかけです。

材料も自分で買って来て「どうすれば美味しくなるか」をいつも考えていました。
小学4年生で料理人を目指すことを決意し、
卒業文集では将来料理人になることを宣言していました。

藤森由身オーナーシェフ

■中華料理を選んだ理由

専門学校では和洋中全て学びました。
子供の頃から色んなジャンルの料理を作っていましたが
中華包丁が一番手に馴染み、料理法もしっくりきていたので
初めから中華の道に進むと決めていました。

■中華料理に対するこだわり

素材を活かしながら、更に深みを追求し、
食べたときに「美味い!」と食い味の良さを感じてもらえるように
「メニュー」と「素材」にこだわり「進化」を追求しています。

《メニュー》のこだわり
お店にメニューは置いていますが、前菜を召し上がるお客様の印象で、
次の料理を変えることがあります。
メニューには食材名を書いて、お客様の好みで調理法を変えて提供する。
オープンキッチンでお客様の顔が見える強みを活かしています。

《素材》へのこだわり
フレンチを学んだ経験が生んだこだわりです。
中華では要領やスピードに重きを置き、粉末になっているスパイスを
使うことが多いのですが、フレンチは使う直前に削ります。
この影響で、胡椒一つにしても、挽いてから使うようになりました。

中華の代表料理「エビチリ」で使うケチャップも、既製品を使うのが
当然でしたが、洋食で日常的にトマトを煮詰めて旨味の凝縮された
ケチャップを使っているのを見て、エビチリでもトマトを煮詰めて
一から作るようになりました。

《進化》の追求
元々フレンチの繊細な盛り付けが好きでした。
ホテル勤務時代に出場した社内コンクールでは、フレンチの盛り付けを
意識した古典的で伝統的な料理が評価され、優勝したことがあります。

このお店で出す料理も進化した「新しい中華」を意識していますが、
新しさばかりが良いものとは考えていません。
温故知新。伝統知らずして今の自分は存在しないと思っています。

また、中華は「定番」と言われる料理が沢山あります。
酢豚は玉ねぎとピーマンを使って、この切り方をして…という
枠組みに甘えてしまえばある程度の料理ができます。

これも同じで、素材も調理法も、突き詰めれば合理的に必然的に
進化させることができると思っています。

■ここでしか味わえないもの

四季を意識した料理があります。
春は桜エビを高温で素揚げし清湯(チンタン)で出汁を取った餡かけ炒飯
夏は北海道産帆立に皮付きヤングコーンのひげと一緒にあっさり炒め
秋は上海蟹のみそをたっぷり使ったフカヒレの姿煮
冬はジビエの猪肉を使った麻婆豆腐

どれもここでしか食べられないこだわりの一品です。

■大切にしていること

常に進化し、日々前進することです。
伝統を重んじ、すがらず、変化を厭わないことが
自身の強みだと考えています。

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